公務員の実情

公務員に向いている人の性格や価値観、特徴を元県職員が紹介する

公務員になれば幸せになれるわけではありません。公務員に向いている人にとっては不満のない日常を過ごせますが、向かない人にとっては毎日が苦痛になるでしょう。

大学生や民間企業から公務員への転職を考えている人は、ご自身の性格や価値観が公務員に合っているかを見つめた方がいいです。大変な試験をクリアしたのに、働いてみたら全然自分に合わないなんて勿体ないですから。

この記事では、民間企業と公務員の両方を経験してきた僕が、公務員の向き不向きについて詳しく紹介していきます。

公務員に向いている人の特徴

  • 仕事の充実感より待遇を求める人
  • 意見をまとめるのが得意な人
  • 真面目すぎない人
  • 地味な仕事を継続できる人
  • 妥協できる人
  • 合理的な考えができる人

仕事の充実感より待遇を求める人

仕事内容よりも給与や休日などの待遇面の優先順位が高い人は公務員に向いています。

というよりも、現役公務員にはそういう人が多いです。みなさん仕事にやりがいや楽しさを求めておらず、安定した給与や休日の多さなど待遇面のメリットに重きを置いて仕事をされている印象を受けます。

つまり、「自分にはこの仕事しかないんだ!」と熱い思いもなく、仕事に対して現実的で冷めた考えを持っているなら、公務員への適正があると判断していいです。組織の中でも浮かずに淡々と仕事をこなせるでしょう。

そもそも公務員の仕事は2~3年ごとに業務内容がコロコロ変わるので、自分がやりたい仕事をやれる保証はどこにもありません。自分の苦手な分野の仕事もやらなければいけないため、「与えられた仕事はやります。」くらいの方が長続きします。

意見をまとめるのが得意な人

公務員の仕事で特徴的なのが、関係機関(行政や民間企業など)の意見を集約して資料にまとめたり、事業がスムーズに行えるよう根回しをしたりすることです。

予算資料の作成から施策の実行までの間、個人や民間企業の要望をまとめたり、行政の中でも課をまたいで調整しなくてはいけません。

このため、自分で調整したり資料をまとめるのが得意な人は公務員に向いていると言えます。主役にはなれないけど、裏で暗躍するのが好きな人にはピッタリです。

また、調整上手な公務員は人の気持ちを想像できる思いやりがあるので、物腰が柔らかく丁寧な人格を持っている人だと信頼を集めやすくなるでしょう。

仕事を進めるために自己犠牲を惜しまず、全体の利益のために自分に何ができるかを客観的に考えることができる人も重宝されますね。

要は、自分の主張を押し通すタイプではなく、縁の下の力持ちタイプこそ公務員に適正があると思ったほうがいいです。

真面目すぎない人

真面目なイメージのある公務員ですが、最近ではお役所仕事に対する風当たりも強いため、臨機応変に行動できる人のほうが向いています。以前と比べると、若手を中心に民間感覚を持った人が増えてきているのは間違いないです。

融通の利かない人や組織のルールを過剰にこだわるTHE公務員タイプの人は、組織の内外からの評価が低く、出世はおろかトラブルを生みやすくなるので苦労するでしょう。

このため、法令違反にならない程度の範囲で、どこまで臨機応変に対応できるか判断できるスキルが公務員に必要になることは間違いありません。

ただし、臨機応変に動く分、責任感は強くなければいけません。自分の判断で行ったことに対しては自分でケリをつけるくらいの気持ちが大切です。

自分の業務に関しては、最後まで投げ出さずに粘り強く対応することができる人は公務員に向いています。ちゃらんぽらんはNGです。

地味な仕事を継続できる人

予想以上に公務員の仕事は地味です。ルーチンワークも多く、1日中パソコンの前で数字を打ち込むといった作業もあります。

このため、コツコツと単純作業を効率的に処理するのが好きな人にはすごく向いています。エクセル好きにはたまらない仕事も少なくありません。

また、事務処理能力が高い人は同僚からも重宝されるので、どの職場に配属されても頼りにされます。承認欲求が満たされるため、デスクワークがとにかく得意だという人は公務員の適性があると考えていいです。

ただし、今後はAIの進歩により単純作業に人の手がかからなくなることが予想されます。

事務処理だけを磨いていると、将来自分の居場所がなくなり虚無感に襲われる可能性もあるのです。そのことも踏まえて仕事選びを考えた方がいいでしょう。

妥協できる人

公務員の仕事は妥協しなければいけない場面に遭遇することがよくあります。トップの一言でこれまで積み上げたものが崩れることも珍しくないです。

明らかに正しくても様々なしがらみにより決断できないこともあるため、「こういうものだ」と流れに沿った考えができる人が向いています。言葉は悪いですが、長い物には巻かれるタイプは公務員向きです。

ヒラ職員一人では巨大組織を変えることができないため、理想が高い人にとってはもどかしい日々を送ることも。

自分の意見を押し通したいなら出世するしか道はありません。それでも権力を行使できる50代になるまでの間、どこかで妥協しなくては公務員の世界を渡り歩くことはできないでしょう。

合理的な考えができる人

公務員の世界は義理人情が薄く、どんな人でも平等に扱わなければいけません。全体の奉仕者なので、特定の企業や人物に肩入れすることはご法度です。

組織の内外に人脈を広げると仕事に役立ちますが、最終的な判断に感情を混合することができないため、自分の立場を考慮して最適な答えを出さなければいけません。

いくらお世話になった人だからと言って、時にはその人の不利益になることを遂行するのが公務員の仕事です。ある意味、裁判官のような考え方が大切です。

血の通った仕事ができないのは合理的に考えなければいけないからであり、自分の力だけで何とかできるほど公務員の仕事は甘くありません。

このため、感情的にならない人が向いている職業と言えます。義理人情を貫きたいなら公務員はやめておいた方がいいです。

公務員に向かない人の特徴

  • 志と意識の高いレベルで仕事がしたい人
  • 若手時代の薄給に納得できない人
  • スピード感のない仕事にイライラする人
  • 考えながら行動するタイプの人

志と意識の高いレベルで仕事がしたい人

周りと高め合いながら自分も成長したいタイプは公務員には向きません。意識の高い人が公務員には少ないため、自分だけが浮いてしまう可能性が高いです。

そもそも特別な専門スキルが身につくわけでもなく、与えられた仕事を淡々とこなすのが公務員の仕事。

ぶっちゃけると、プライベートや生活のために公務員という職を選ぶ人が圧倒的に多いです。

なので、意識が高すぎると周りに尊敬できる同僚がいなくなり、徐々に腐ってやる気がなくなります。

最悪、民間企業への転職や退職がちらつくので、精神的に追い込まれるケースも想定できます。

若手時代の薄給に納得できない人

20代~30代までの公務員は、どんなに優秀でも給与は年齢で決まるため、仕事ができる人にとっては不満が常につきまといます。

全然仕事をしない同僚と自分を比較した際に、待遇が同じでは納得できないのも無理ありません。評価を形にできない公務員に嫌気が差すでしょう。

特に20代のうちは基本給が安いため、生活するのがやっとで豊かな暮らしなどほど遠いのが現実です。大学生と同じアパートに住み、自炊をしながらようやく貯金ができる感じです。

一方で、民間企業だと成果を上げたら見返りが形に表れやすいので、「能力と給与が比例するのが当たり前」という価値観を持っている人は公務員には向いていません。

スピード感のない仕事にイライラする人

民間企業と公務員の両方を経験した僕ですが、公務員の仕事スピードの遅さにはうんざりしました。仕事が前に進まないことがこれほどストレスに感じるとは想像以上です。

公務員は何でもかんでも決裁をとらなければ動けず、自分の判断で動ける範囲があまりにも狭すぎます。

担当同士で話し合っていると、「上司の許可が必要なので、相談させてください。」と小さなことでもホウレンソウを徹底する公務員のなんと多いことか。

上司も責任を負いたくないのか、まずは『やらない理由』を探し始める人が多く、業務がたびたびストップするのです。

このため、行動力のある人ほどもどかしい思いをするのは間違いないです。これは公務員一人一人の意識改革が進まないと変わらないので、一生つきまとう問題となるでしょう。

考えながら行動するタイプの人

個人的には、行動しないと見えてこない課題やヒントがたくさんあるので、公務員と言えどガンガン行動する方が結果が出ると考えています。

しかし、現実には「まずはやってみる!」の精神で予算要求しても、財政課は首を縦には振ってくれません。未来が見えない施策に税金を投与する判断はできないですからね。

公務員の世界はとにかく準備段階に重きを置いているため、やりたい施策があるならデータや前例、他県の状況など細かく調べて説明しなければいけません。

つまり、行動しながら軌道修正して目標を達成するやり方でここまできた人にとっては、公務員の仕事の進め方に疑問を抱くでしょう。

副知事や部長まで出世する人は公務員に向かない要素も持っている

公務員に向いている人が出世するとは限りません。むしろ、部長まで出世したり、退職後に副知事になるレベルの人は、公務員に向いていない要素も兼ね備えています。

みなさん共通するのが『個性がある』という点。部長クラスを観察すると、本当に十人十色の個性が見えてきます。

ワガママな印象を持たれる人もいますが、それは自分の主張を持っていて、これまで成果を出してきた結果です。決して悪いことだとは思えません。

 

むしろ長い物に巻かれているだけでは、たとえ公務員生活を無理なく過ごすことができても、人の上に立つ能力は身につきません。

 

だから公務員に向かない人の特徴に当てはまっていても、それは出世する能力があるとも判断できます。

「行政のトップレベルまで登り詰めて、行政の在り方や地元を変えていきたい!」と明確な目標があるなら、ぜひ公務員になって能力を発揮してください。

若いうちは自分と周りのギャップに悩むかもしれませんが、40代になり大きな仕事を任されるようになれば、徐々に仕事が楽しくなり周りの目も変わってくるでしょう。

こういう人が出世して行政を変えていく未来がくることを楽しみにしています。