地方公務員のお金事情については、公務員のみならず一般の方も興味津々だと思います。
地方公務員の給与に関しては、総務省の『地方公務員給与実態調査』で公表されているところですが、初めてご覧になった方だと内容が頭に入らないかと思うので、この記事では公表データを基にわかりやすくまとめました。
なお、公表データだけでは読み取れないリアルな情報も織り込んでいるので、かなり現実的な給与情報になります。
- 年齢別給料月額(基本給のみ)
- 年齢別給与月額(手当込)
- 年齢別ボーナス
- 年齢別年収
- 退職金
- 生涯年収
行政職に関わるお金のすべてをここに記載します。
自治体の財政状況や地域格差によって数値に若干のズレが生じます。
年齢別給料月額(一般行政職)
まずは基本給からです。
公務員は年功序列の世界なので、若手のうちは仕事の成果うんぬんではなく、単純に歳を重ねれば基本給は上がります。
年齢 | 金額 |
23~25 | 19~20万円 |
26~28 | 21~22.5万円 |
29~31 | 23.5~25万円 |
32~34 | 27~28.5万円 |
35~37 | 29~31万円 |
38~40 | 33~35万円 |
41~43 | 35.5~36.5万円 |
44~46 | 37~37.5万円 |
47~49 | 38~39万円 |
50~ | 39.5~43万円 |
- 課長級・・・約44万円
- 次長級・・・約47万円
- 部長級・・・約51万円
基本給に関しては、20代のうちはほとんど上がらず、30代で主査級に昇格したら一気に上がるイメージです。
そして、50代からは出世しない限りは頭打ちになります。あくまで予想ですが、同じ年齢でも部長と課長補佐では10万円程度の差があるかと思われます。
年齢別給与月額(一般行政職)
今度は、基本給に各種手当を含んだトータルを算出しました。いわゆる月収です。
手当の内訳としては、残業代・通勤手当などがメインとなり、首都圏とかだと地域手当も加算されます。
なお、家庭の事情による扶養手当や住居手当は除いています。家族持ちの方は1万円、住居手当込みの方は2.5万円を加算するといいでしょう。
年齢 | 金額 |
23~25 | 22~23.5万円 |
26~28 | 24.5~28万円 |
29~31 | 29~30.5万円 |
32~34 | 32.5~34万円 |
35~37 | 34.5~36.5万円 |
38~40 | 38.5~40.5万円 |
41~43 | 41~42万円 |
44~46 | 42.5~43万円 |
47~49 | 43.5~44.5万円 |
50~ | 45~48万円 |
- 課長級・・・約6万円
- 次長級・・・約8万円
- 部長級・・・約10万円
課長級 | 約51万円 |
次長級 | 約56万円 |
部長級 | 約62万円 |
時間外手当に関しては、自治体の支給状況や個人の働き方によってバラつきが多い部分なので、ここでは20代前半は3万円、それ以降は5万円で統一しています。
このため、出世コースを歩んでいて激務部署の勤務が中心になれば、さらに月収は高くなると予想できます。逆に残業がほとんどない暇な部署が中心になれば、月収はこの表より低くなることが予想されます。
年齢別ボーナス(一般行政職)
6月と12月に支給される年2回のボーナスの合計額を年齢別に算出しました。
ヒラ公務員の期末勤勉手当の計算方法は、(基本給+地域手当+扶養手当) × ○○月(支給月数)でだいたいの職員がカバーできます。結構シンプルなので、自分で簡単に計算することができますよ。
ちなみに、支給月数は時代の景気などを考慮したもので、約4.5月くらいだと考えてOKです。
年齢 | 金額 |
23~25 | 83~87万円 |
26~28 | 88~97万円 |
29~31 | 100~105万円 |
32~34 | 120~124万円 |
35~37 | 129~135万円 |
38~40 | 157~166万円 |
41~43 | 170~181万円 |
44~46 | 183~187万円 |
47~49 | 190~194万円 |
50~ | 195~197万円 |
- 課長級・・・約220万円
- 次長級・・・約280万円
- 部長級・・・約330万円
管理職になると管理職加算額による調整が反映されるので、ボーナスはヒラとは比べものになりません。
年齢別年収(一般行政職)
月収+ボーナスによる年収推移です。給与月額×12+ボーナスで計算しました。
年齢 | 金額 |
23~25 | 365~369万円 |
26~28 | 381~433万円 |
29~31 | 453~470万円 |
32~34 | 510~530万円 |
35~37 | 543~573万円 |
38~40 | 619~654万円 |
41~43 | 662~685万円 |
44~46 | 693~702万円 |
47~49 | 712~724万円 |
50~ | 730~742万円 |
- 課長級・・・約820万円
- 次長級・・・約940万円
- 部長級・・・約1,070万円
都心や政令都市にもなるとさらに年収が上がると予想されますが、おおよそ地方公務員の年収はこのような形で推移していきます。
年功序列の世界ですが、部長クラスまで出世すると年収1,000万円が見えてきます。出世コースに乗れば40代半ばあたりで同期との年収に差が出てくる感じです。
ただ、たとえ出世できなくても年収700万円まではほとんどの自治体で到達できるので、公務員の給与水準は恵まれていると言われてもしょうがないです。
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退職金(一般行政職)
退職金は、定年まで勤める前提で計算していきます。自己都合による退職になると大幅に減らされるので、定年まで働くほうがメリットあります。
地方公務員の平均値は、約2,200万円(平成30年度)です。県職員と市町村職員で微妙に差がありますが平均値としてはこれくらいの水準だと認識してOKです。
ただし、今後は退職金が減っていくことが予想されます。
公務員の退職金は民間企業とのバランスを考慮しており、約5年ごとに水準を調査されていますが、近年、公務員の退職金が民間企業よりも大幅に上回っていることが問題視され、実際に退職金が減らされ始めています。
過去には、定年目前に教員が駆け込みで退職する事態が発生しましたが、あれは退職金が大幅にカットされることが原因でした。公務員と言えど、自分の収入が減らされるのは辛いですからね。
このため、老後の生活費を退職金に頼ろうと考えるのは注意が必要だと言えます。公務員も若いうちから資産運用を始めて年金の足しにすることが望まれます。
特に公務員はiDeCo(確定型拠出年金)との相性が抜群なので、まずはiDeCoから検討することが老後の資産作りの支えになるでしょう。
地方公務員(一般行政職)のお金事情まとめ
今回は、地方公務員の金銭事情について総務省が公表しているデータを基に計算してきました。
自治体によっては地域格差がありますが、平均値としては大きくズレてはいないので、これから公務員を目指そうか検討している方の参考になれれば幸いです。
公務員の給与について個人的な感想を述べると、公務員の給与は30代前半までの薄給を我慢できればそれなりに満足できるものだと思います。
40代にもなれば生活がグッと安定するので、生活費以外の出費にも耐えられるでしょう。
公務員夫婦になれば世帯年収が1,200万円を超えるので、将来の資産形成が楽になるのは間違いないです。
民間企業と比べると公務員の年収が高すぎるとは言えませんが、年齢に応じて昇給する安定した制度や将来の給与が計算しやすい点はかなりのメリットです。
そんな公務員の金銭事情に魅力を感じているなら、ぜひ公務員試験を合格して自分の手で掴み取ってください。
公務員試験は大学生だけでなく、民間企業で働いているサラリーマンでも受験資格を満たしていれば十分合格可能です。というか、僕は民間企業から地方公務員に転職した実績があります。
ただ、社会人は限られた時間を有効活用しないと合格が遠のいてしまうので、やみくもに勉強するよりも合格するための最短方法を知ることが第一歩です。
まずは情報収集から始めて、自分にとってベストな戦略を検討していきましょう。
▼民間から公務員に転職したい人はこちらの記事をどうぞ