公務員の実情

国(霞が関)へ出向する地方公務員は出世コースに乗っている超エリートだ

地方公務員として5年ほど働くと、国に出向する人がちらほら出てきます。「最近あいつ見かけないなー」と思ったら、実は出向していたことを後から気づくことも。

僕が県職員として働いていた頃、同期や後輩が経済産業省や国土交通省、農林水産省などに出向して1~2年ほど東京の霞が関で働いていました。毎年3~4人くらい入れ替わりで出向している感じですね。

貴重な経験ができる出向ですが、もちろん希望すれば誰でも行けるわけではありません。

結論から言うと、国へ出向の声がかかるのは将来有望な職員のみ。幹部候補として育てたい人材だと思っていいです。

国へ出向する職員の経歴

県職員のことしかわかりませんが、国へ出向する若手職員は本庁勤務をしている人から選ばれます。出先機関から国へ出向した人を見たことはありません。

入庁して出先機関→本庁→経済産業省という経歴の職員もいるので、新採職員の配属先が出先機関でもチャンスはあります。ただし、逆に本庁から出先機関に異動した人は可能性が下がります。

具体的な所属としては、財政課、産業課、市町村課、畜産課などあまり一貫性がないですが、総務や庶務ではなく事業担当課から選ばれることが多いです。

また、忙しい職場から選ばれるため、定時上がりしている職員には声がかからないのが現実です。国へ出向するためには、入庁して最初の職場で評価されることが大切なのです。

人事課としても環境の変化や長時間勤務に耐えられるタフな人材を重宝するため、基本的には女性が国へ出向するケースは滅多にありません。僕が知っている限りは、他県庁への出向はあっても国は聞いたことないです。

結婚適齢期ということもあり、人事課も色々と気を遣っているのかもしれませんね。これは男女差別ではなく、職員の生活を考えた判断なのでしょう。

国から戻ってきた後の配属先

国への出向は早い人で1年間。平均すると2年間がベースとなっています。

激務の霞が関勤務から戻ってきた職員が配属されるのは、出向先に関連した職場になります。エリートには休息という言葉はありません!

例えば、農林水産省なら農林水産部、経済産業省なら商工部など。農林水産部→農林水産省→農林水産部とどっぷり専門分野にハマるでしょう。

その後も出向組は本庁を中心に忙しい部署を転々とし、いわゆる出世コースを歩むことになります。本庁を中心として、たまに出先機関に行くって感じです。

国へ出向するのは仕事ができる人ばかりなので、体調を壊したり価値観が変わらない限り順調に出世するのは間違いないです。

霞が関も激務だけど県庁も負けてないから大丈夫

県職員から国へ出向すると、国家一般職と同じような待遇と仕事を与えられます。

県と違って国家総合職と国家一般職が一緒に仕事をしているため、ルックスだけだと誰が上司か判断つかないそうです。

県庁だとオジサンが上司で若い人が部下ですが、霞が関では30代課長と40代課長補佐とか普通にありますからね。

 

また、霞が関では終電帰りが当たり前といったイメージがありますが、全ての部署がそうではありません。年間通してずっと忙しい部署も多くはないため、県庁と比べても残業時間に大きな差はないです。

それでもある月に100時間くらい残業していた人もいましたけど。まぁ2年間の修行と割り切って頑張るしかないですね。

県と国の仕事はスピード感が全然違う

県庁と霞が関を比較したとき、出向組は口を揃えて「スピード感が全然違う。」と言っています。「県庁は何でもかんでも形だけ決裁を取るから責任感がない人が多い」という意見もあります。

県庁ではどんなに小さな案件でも決裁を取らなければいけないのに対して、国では担当の裁量範囲が広くて課長が介入しない案件も県より多いそうです。

このため、仕事が止まることが少なく、自分のやる気次第ではどんどん仕事が進むのが大きな違いだと実感しやすい環境になります。

優秀な人材ほど県庁でのスピード感のなさにウンザリしているため、「出向は大変だけどやりがいがある。」というのが本音。県庁に戻ってくると、よりスピード感のなさにガッカリするのは言うまでもないです。

こうしたことを発見できるのも、出向することを許された優秀な人材ならではのことですね。

働く環境がガラリと変わるハードな数年になりますが、公務員としてのキャリアには確実にプラスになることは間違いないです。

出世したいなら国への出向も意識しよう

出向しなくても偉くはなれますが、出向したら高確率で出世コースに乗ることは揺るがない事実です。所属長から「出向の話があるんだ。」と言われたら評価されていると喜びましょう。

同期の中で約2人の選ばれた人材しかチャンスを与えられないため、霞が関への出向が狭き門なのは間違いないです。希望したから行けるわけでもないので、財政課・人事課よりもハードルが高いと言えます。

興味があるなら、まずは本庁の忙しい部署で働くことが重要で、その中で所属長に「優秀な人材だ。」と評価されることが絶対条件です。人事面接でも「出向に興味がある。」と積極的にアピールしてもいいでしょう。

そして、人事課に認められればきっと出向の話がやってくるはず。日頃の業務からコツコツ成果を出すことが出向への唯一の道になるのです。