公務員の実情

うつ病で休職する公務員が増えている3つの理由を元県職員が解説する

どうも、元公務員のアツシです。

 

公務員は気楽

 

一般人の公務員に対するイメージって、「ノルマがないから仕事が楽」「定時に帰って趣味を楽しめる」など隣の芝は青く見える内容がほとんど。

ですが、意外と公務員って鬱などで休職している人が多いです。同じ課で二人とか珍しくないですから…

民間企業と公務員の両方を経験してきた僕から見ても、公務員の休職率はヤバいなって思います。ってか、僕も公務員になってうつ病になりましたからね!

うつ病で休職する公務員が増えている3つの理由

決して公務員のメンタルが弱いわけではありません。

公務員は精神的ストレスの負担が大きい環境にいることが一番の問題です。

理由は3つ。

  • 公務員は真面目すぎる
  • 残業時間がブラック企業以上の職場が結構ある
  • 新規事業は作れるが既存事業を廃止できない

公務員は真面目すぎる

一般の方が想像する以上に公務員は真面目な人が多いです。同じ組織の人に「お世話になっております。」なんて普通言わないですよね。

住民のために真面目に仕事をするのはいいことですが、問題なのは真面目すぎること。

拷問のような役に立たない試験勉強をコツコツ継続できる人達が集まっているので、当然と言えば当然ですね。

 

公務員は完璧主義者が多く、全てを100点にしようとするあまり大小問わずどんな仕事も全力投球しています。

上司が真面目すぎると部下にまで伝線してしまうのが厄介なところ。極端な話、組織が真面目すぎる公務員を作り上げている感じです。

いい意味で手を抜くということができない人が多く、もはや住民サービスとして機能しているかは関係なく、仕事を完璧に遂行することを目的として働いてしまいます。

 

上司や住民、民間企業など、全ての人の意見を反映させようするのも真面目すぎる公務員の特徴です。

気を遣う相手が多く、根が真面目で優しい人ほど精神的ストレスを抱える状況にあります。

課長級の上司が目を光らせていればいいのですが、ぶっちゃけ公務員の管理能力は低レベルすぎるのが現状です。

30代後半から40代の中間ポジションの公務員がメンタルを壊すのはこのためです。

 

また、公務員の仕事は分業制で、基本的には仕事を手伝ってはくれません。

このため、仕事を一人で抱え込む人が続出。メンタルを壊してから問題が浮上する悪循環が止まりません。

僕も民間企業にいた頃はチームで仕事をしていましたが、公務員になってからは報告ばかり求められる個人仕事ばっかり。

「助けを求めたら迷惑をかけてしまう…」と真面目すぎる公務員は頑張りすぎてしまい、自分が気づかないうちに体を壊してしまうのです。

残業時間がハンパない部署が結構ある

公務員の残業時間は、本庁になると月50時間以上は普通です。

100時間を超える部署には多くの若手(20代~30代)が配属されており、たびたびメンタルを崩して休職している現実があります。

主席(採用試験トップ合格)で入庁した同期が休職をした際は、月の残業時間が150時間を超えていたそうです。土日も休まず働いていたら、そりゃ体壊すの当たり前でしょ。

 

出世するには登竜門となる部署がありますが、そこで待っているのは年間800時間を超える労働力の搾取です。

この現状にメスを入れないのは明らかにおかしいこと。

「長時間働かないと出世させないよ」と言われているようなもので、仕事の成果ではなく耐えきることを評価対象にしてしまっているのですから。もはや軍隊と同じ考えですよね。

「働き方改革だ」とか言う前に目の前の職員を大事にしてほしいものです。

新規事業は作れるが既存事業は廃止できない

行政サービスを充実させるために、自治体は新規事業を立ち上げます。

時代の流れに沿って業務内容を修正することは大切なので、新規事業の提案は僕も賛成です。

問題は、時代遅れの既存事業を切り捨てないこと。

公務員の数は年々減っているのに、仕事は増えてしまっては一人一人の負担は大きくなるのは当然です。人のエネルギーが無限にあると思わないでください。

 

これは完全に既存事業を廃止にする決断ができない上司が悪いです。

日清食品の社是「決断なき上司は無能だと思え。社長に直訴せよ。」は全ての管理職に伝えたい言葉。

そもそも多くの管理職は、部下が行った仕事をトップ(部長や知事)に説明するだけの伝言係です。

そして、トップの意見を全て鵜呑みにして、部下に指示を流すだけしかしていません。

 

公務員は「もしかしたら事業を廃止したら問題が起こるかも」と責任を負うことを嫌うため、思い切った決断ができる人はほとんどいません。

これは民間企業が「成功する」ことに重きを置くのに対して、公務員は「失敗しない」ことに重きを置いている背景があります。

その結果、新規事業分の業務量が増えてしまい、肉体的にも精神的にも追い込まれた部下がバタバタと倒れていくのです。

民間企業みたいに失敗した事業をさっさと損切りする決断ができれば、公務員はもっとイキイキと新事業にエネルギーを注入できるのに。

【経験談】僕は入庁1年でうつ病で休職した

僕は大学を卒業して民間企業に就職して3年間働きました。

社会人としてのイロハを教えてもらい感謝していますが、休日が少なく安月給、ボーナスもほとんど出ない会社に不安になり、安定した公務員への転職を決意。

働きながら独学で勉強を始め、半年後の試験で一発合格しました。あの時は涙が出るほど嬉しかったです。

社会人から公務員試験に一発合格した僕のリアルな経験談を全部伝えるどうも、民間企業で働きながら半年間の勉強で公務員試験に合格したアツシです。 民間企業・公務員・フリーランスを経験した僕から言わせる...

ここまでの成功ストーリーで僕の人生はハッピーエンドを迎えればいいものを、残念ながら素敵な公務員生活が待っていることはありませんでした。

 

僕が配属されたのは農林水産部。

希望に満ち溢れて入庁式に臨み、「これから頑張るぞ!」という気持ちで新しい生活が始まりました。

しかし、そこで待っていたのは予想以上の過酷な環境。

1ヵ月も経たないうちに希望は消え去ってしまいました…

 

前任者が国からの出向者で、引継書だけが机に上がっているだけ。

僕の仕事は周りの職員も把握しておらず、「〇〇さんに電話して聞いて」と言われるだけで不安な毎日を過ごしていました。

前任者の職場に電話をかけると、国家公務員は忙しいのか「周りの人に相談して決めてください」などあからさまに機嫌が悪い対応をされる始末。

気持ちはわからなくもないですが、板挟みにあった僕はかなりストレスを抱えながら仕事をしていました。

民間企業と比べると公務員は、部下を育てるという感覚に欠けているため、配属先の上司次第では僕のような冷遇を受けることも十分あります。

10ヵ月後に体が動かなくなった

3ヵ月も経てば、誰も頼れない状況や仕事にも慣れる・・・と思っていたのですが、民間企業と公務員の仕事の進め方にギャップがありすぎて困惑する日々に変わりはありませんでした。

不慣れな業務を一人でこなしていたため、ミスをすることもしばしば。

 

その度に上司に呼ばれてネチネチと細かい部分を指摘され、みんなの前で威圧的な態度で叱られます。

同情してくれる職員もいましたが、何か変わるところまではいきません。

 

仕事の相談をしても「何で俺に聞くんだ」と怒られるので、どんどん仕事が後回しになってしまい毎日何をしたらいいかわからなくなりました。

また、クレーム対応を一人で担当する謎のシステムが発動しており、他の職員が受付したクレーム処理まで僕に回ってきて精神的にどんどん追い詰められていきました。

 

どこにも逃げ場がない状況が続いたため「誰でもいいから死なない程度に車で轢いてくれないかな」と本気で考えるように。

この時点でネガティブなことしか考えられず、帰宅しても明日の仕事の憂鬱さで何をしても楽しいと感じなくなっていたと今振り返るとそう思います。

 

仕事に行きたくなかったのですが、周りに迷惑がかかるし、何より上司に怒られるのが怖かったので何とか出勤していました。

公務員になれたことを親も喜んでいたので、1年も経たないうちに「退職したい」とか言えない状況でもあったし。

 

こうして体の悲鳴を無視した結果、とうとう帰宅後に涙が止まらなくなり翌日も体が動かなくなってしまいました。

ダムが決壊したように嗚咽する様子は異常で、もはや仕事どころではないのは誰の目にも明らか。

翌日に職場に電話しようと思ったのですが、恐怖から体が動かなくなり、恥ずかしながら親に頼んで事情を説明してもらいました。

 

公務員になって10ヵ月目の冬。

僕は『うつ病』と診断され、精神内科の医師から「仕事を休みなさい」と言われました。

職場に足を運ぶことができなかったため、ここでも親が診断書を職場に提出してくれることに。

職場でどんなやりとりがあったかは知りませんが、診断書の記載によりまずは1ヵ月の休職が認められました。

「親まで出てきて周りにどう思われるんだろう」とか色々考えましたが、病気になったのにも関わらず正直ホッとしたのを今でも鮮明に覚えています。

3ヵ月間の休職から復帰までの生活

心と体を健康な状態に戻すために、まずは『仕事のことを考えない』ことが大事だと言われました。

自分一人がいなくなったところで大きな影響を与えることはないのですが、当時は「迷惑かけている」「あの仕事は大丈夫だろうか」と仕事を頭から外すことが難しかったです。

 

それでも、大学生の夏休みみたいな毎日を過ごしているうち、仕事に対する不安が薄れていきました。

罪悪感もなくなっていき、自分を正当化できるように。

 

うつ状態時には無理に考えないよう意識するのではなく、時間が解決するものだと割り切った方がいいと思います。

焦らず処方された薬を飲みながら、漫画を読んだりテレビを観たりゲームしたり『自分の好きなこと』をやるだけです。

 

うつ発症から2週間くらい経過すると、少しずつですが外出もできるようになりました。

面談で医師から「運動してみるといいよ。」とアドバイスされたので、週3日ジムに通うことに。軽めのランニングと筋トレを始めました。

「運動はうつ病に効果ある」と言われていますが、まさにそのとおり。

体がだるくてしょうがなかった状態から、1ヵ月後には日常生活に支障が出ないくらいにまで回復。

 

「もう治ったんじゃない?」と鬱を克服したと思いました。

年度末だし、上司が異動すると信じていたので、職場復帰も近いと確信。

 

しかし、心の問題はそう簡単には解決できませんでした。

一度傷ついた心は、本人が思う以上に治らないのです。

 

試しに親と一緒に職場の近くまで行ってみた時、建物を見ただけでドキドキと動悸が激しくなり、吐き気や頭痛など体調が悪くなったのです。

 

帰宅後、自分の思い通りに動かない体に苛立ちを覚えました。

いつの間に自分はこんなに弱くなったのだろう、こうしている間にも友達たちは仕事をしているというのに…

焦りばかりが先行してしまい、再び落ち込む毎日。

 

自分が鬱になるまで、正直「鬱って気持ちの持ちようじゃね?」とか考えていました。打たれ弱いとか思ってましたから。

しかし、実際に鬱になってみて、甘えとかそういう次元の話ではないってことを知りました。

この辺は経験しないとわからないことですが、あなたの周りにも鬱の人がいたら甘えではないということを認識してあげてください。

 

1ヵ月間の休職で復帰することはできなかったので、職場に期間を延長した診断書を提出。

焦りは禁物と言い聞かせながら、薬の服用と運動で再び前向きな気持ちに近づこうとしました。

一日中家に引きこもっていると気持ちが落ち込む時があったので、ジムに行かない日も近所を散歩するなどなるべく外出するよう心がけていましたね。

 

 

そして、休職から2ヵ月後。

 

 

休職期間中に年度をまたいだので、人事異動が発表されました。

僕とパワハラ上司は揃って異動。

嬉しいとかの感情はなく、ただただ「僕は異動することになったんだ。新しい職場の人達にどう思われているんだろう。」と考えていましたね。

 

 

そして、休職から3ヵ月後の4月末。

 

 

仕事の意欲を取り戻し、ようやく僕は新しい職場に足を運ぶことができました。

もう動機や頭痛に悩むこともなく、少し緊張しましたが何とか大丈夫そうです。

 

産業医面談を終え、新しい職場に挨拶に行ったら、みんな優しく迎えてくれました。

ピリピリした雰囲気は感じられず、前の職場がいかに異常だったかわかります。

不安な気持ちは考えすぎていたようで、1週間も経過したら普通に仕事ができる自分に戻っていました。よかったよかった。

こうして僕は公務員として再スタートを切ることができたのです。

精神的な理由での休職は特別ではない

僕の経験はレアケースかもしれませんが、鬱になるまで追い込まれなくても精神的ストレスを抱えている公務員はたくさんいます。

特に人間関係のトラブルの噂は色々と聞きますね。

仕事内容だったり人間関係だったり、公務員は民間企業以上にストレスが溜まる所属がごまんとあるので、「公務員になれば人生イージーモードだぜ」と浮かれている人は注意しましょう。

 

うつ病を発症した経験から、「健康が一番の宝」ということが身に染みています。

お金やら今後の生活とかは二の次です。

精神科の薬を飲みながら仕事をしている人もいますが、健康な体と出世を天秤にかけてみてどっちが重いかなんて子供でもわかりますよね。

体の悲鳴を無視して頑張りすぎても、いずれ限界がきて僕みたいに心と体が壊れてしまいます。

 

精神的苦痛は、我慢して乗り越えられるものではないですから。

一度うつ病を発症すると完治せずに一生付き合うこともあるため、「しんどい」と考えられるうちに精神科を受診して1ヵ月くらい休職しましょう。

 

人生100年時代。

1ヵ月くらいどうってことないですって。

(お前が言うか!)

 

  • 休職したら周りに迷惑をかけてしまう…
  • 精神的に弱い奴だと思われるんじゃないか…
  • みんな辛くても頑張っているはず…

こうした考えが休職の決断を妨げます。

ですが、実際はこんな感じなので安心してください。

  • 一人欠けても組織は平常運転です。大きな負担にはなりません。
  • 公務員は常識人が多いので、休職した人の悪口を言う人はいない。むしろ心配してくれる人がほとんど。
  • 頑張りすぎて鬱になる公務員は多い。辛いことを頑張る必要はない。

 

休職って大きな決断に思えますが、実際に経験してみると「こんなもんか」ってなります。

特別なことではなく、心の風邪をひいた程度の話です。

具合が悪くなったら休む。これ常識ですよ。

鬱を経験した僕としては、一人でも多くの公務員が健康に働いてくれることを祈ります。

公務員が元気じゃなきゃ地域が元気になるはずないですからね。

公務員がうつ病になると出世に影響が出る

うつ病で休職すると出世コースから外れます。

僕も休職する際に「休職すると出世は難しくなる」と総括補佐からハッキリ言われました。

 

なので、うつ病になって働けなくなる期間があると出世に影響が出るのは事実です。

 

ただ、公務員の出世と引き換えに、自分の体を犠牲にするのは間違っていると僕は思います。

僕はうつ病を発症してから、心と体を大切に生きることは一人の人間として正しい選択をしていると思うようになりました。

 

誰かの犠牲の下で支えられている組織なんてコチラが利用してやるくらいの気持ちでいましょう。

何でもかんでも自分一人でやろうとせず、時には馬鹿なフリをして仕事を抱えないテクニックも公務員生活に必要だと頭に入れてください。

公務員の前に一人の人間として自分を大切にしましょう。

真面目すぎる自覚がある人は、肩の力を抜いて時にはサボることも忘れてはいけませんよ。

 

残業の多い職場で体調を壊し休職する人もいるので、結局のところ本庁勤務で出世コースの部署で働く公務員ほど鬱になりやすい傾向にあります。

公務員の基本給は本人の力量ではなく年齢に比例して決まるため、真面目で頑張っている人ほど鬱のリスクを抱えるため損をしやすいと言えます。

『出世コース』と『うつ病コース』の分かれ道、どちらに進むかの賭けをするって感じです。

出世しても大して給料が上がるわけでもないので、ハイリスク・ローリターンのギャンブルだと言えます。

 

公務員に転職してみて、仕事ができる人に負担が集中して、仕事のできない人は本当に何もしない組織だと実感しています。

主査級でも新採職員みたいな仕事しかしない人もいるくらい。

まぁ、法律で給料が決まっている以上、残念ですがこの仕組みが変わることはありません。

 

なので、公務員に人生を捧げるつもりがなければ、頑張りすぎて出世コースを歩まない方が身のためです。

その他大勢の仕事ができない公務員のために、自分を犠牲にする必要はどこにもありませんから。

頑張らなくても給料は毎年上がるので、トラブルや不祥事を起こさないレベルで最低限の仕事をこなしましょう。

 

こんなこと言うと、「俺たちの血税で働いているんだから死ぬ気で働け!」という声が聞こえてきますが、文句を言うべき相手はこんな組織を作っているトップの方々です。

現場の公務員は悪くありません。

メンタルを壊してまで公務員の仕事ってやらなければいけないのでしょうか。

心を壊した人を出先機関に異動させて、すぐに若い人材を補充する繰り返し。人の人生を軽く扱っているようにしか思えません。

【まとめ】公務員は自分を大切にしてくれ

  • 公務員は意外とうつ病になりやすい
  • うつ病で休職したけど心配事は問題にならなかった
  • 出世に影響が出るけど、健康の方が遥かに優先順位が高い

うつ病を経験した身として、やはり健康でいることが一番大事です。

正直、うつ病になってから休むのは遅すぎです。

職場環境を変えることは難しいので、限界ギリギリまで耐えるのではなく、体に異変を感じたら精神内科の診察を受けてください。

 

公務員を辞めた今、人生何とかなると実感しています。

今の仕事が人生の全てではありません。

合う合わない色々ありますし、思い悩まずペースを落としてゆっくり考えるのも大切ですよ。