公務員の実情

県職員の僕が地方公務員の仕事にやりがいを感じない4つの理由

「公務員の仕事にやりがいってある?」

民間企業で働く友達から皮肉を込めてよく聞かれる質問の一つがこれ。

正直言って、僕はやりがいを1ミリも感じませんでした。

振り返ってみると、民間企業で働いていた時は『利益』という明確な目標がありましたが、公務員になってからは何をやってもダメ。完全に公務員に向いてないタイプの人間なのでしょう。

この記事では、公務員のやりがいについて、僕自身の考えとリアルな周りの様子をお伝えしていきます。公務員志望の大学生やサラリーマンの方はぜひ参考にしてください。

僕が公務員の仕事にやりがいを感じない4つの理由

  1. 仕事のスピードが遅すぎる
  2. 議会対応の仕事が不毛すぎる
  3. 人に役に立っている実感が持てない
  4. 周りの職員を尊敬できない

【理由1】仕事のスピードが遅すぎる

僕は民間企業から県職員に転職したのですが、公務員にやりがいを感じない大きな要因は仕事が全然前に進まないからだと考えています。

公務員の仕事のスピードは予想以上に遅いです。極端な話、民間企業が1週間でやることを公務員は1ヵ月かけるくらい。

なぜ仕事が遅くなるかと言うと、公務員は成功よりも失敗を気にするあまり、前例や他県の状況、他の部署との兼ね合いなどを細かく調べるからです。

特に予算要求の資料を作成する際は、誰かがどうでもいい内容の質問をしたら一から調べなくてはいけません。「まぁ、そこは関係ないからいっか。」とはならないのです。

民間企業でも調査やデータ分析をやっていますが、無駄な作業はほとんどなく公務員みたいに何でもかんでも調べたりはしません。

 

どうでもいい内容なのに2時間近く打ち合わせしているときは、

 

こいつらマジか!

 

って悲しくなってきます。

公務員にとっては、行動よりも事前準備の優先順位が高いことがよーくわかります。

やりながら修正するという考えは公務員には通用しません。関わる人すべてを納得させない限り身動き取れないのはストレスでしかないです。

【理由2】議会対応が不毛すぎる

公務員の仕事で僕が一番キライな業務が議会対応。

例えば予算は財政課に要求してOKが出れば終わりではなく、議会に承認されて初めて事業が行えます。議会には公務員の仕事を監視するという役目があるそう。

その他にも議員から質問事項がある場合など、関係する課は回答しなくてはいけません。本庁で働く公務員にとっては、県民ファーストではなく議員ファーストになることも。

県職員の中には、「議会対応が一番大事!」って声に出して言う人もいるくらい。「一番大事なのは県民では?」とツッコミを入れたくなります。

 

議会対応では、質問予想という不毛な仕事があります。

簡単に言えば、議員が質問してくだろう内容を事前に予想してまとめる業務。

議会対応に向けて、部長や課長の手持ち資料を作成するって感じです。

 

部のとりまとめを担当する主管課から、議会の時期になると「質問予想事項をまとめてね。」と一斉メールが送られてきます。

僕はこれまで各事業担当に資料作成を依頼する側でしたが、職員が何時間もかけて一生懸命作った資料が議会対応に役立っている様子を見たことがありません。

ぶっちゃけ、無駄な仕事だと思っています。質問予想事項以外にも議会向けの資料作成があるのですが、時間をかけた割には何に使われたのかもわからないものがほとんどです。

 

なんで公務員がこんなに議会対応に振り回されているかと言いますと、公務員が議員に気を遣いすぎだからです。

町の権力者かなんか知りませんが、時代遅れの高齢者をよいしょする公務員のなんと多いことか。公務員は肩書きと権力に弱く、内容よりも「誰の意見か」ということが最重要案件なのです。

議会の時期がくるたびに憂鬱になりますよ。

【理由3】人の役に立っている実感が持てない

僕は承認欲求が人一倍強いのかもしれませんが、公務員になってから自分の仕事が誰の役に立っているのかを実感できなくなりました。

市役所や町役場で働く公務員は、直接住民と関わる仕事が多いため「住民のために頑張っている」と感じる人もいるようです。

ですが、本庁勤務の県職員になるとルール作りや関係団体との調整などの業務が中心となるため、誰かの役に立っているというやりがいに影響する充実感を得る機会が少ないです。

楽しくない仕事でも充実感があればやりがいを感じるかもしれませんが、そもそも充実感すら得られないってこと。

 

民間時代は顧客に感謝されたり、「ありがとう」と言われることが多かったです。あの時は全然意識しなかったことが、公務員になって人の役立つ実感の重要性に気付かされました。

どうやら僕は、自分のやったことで誰かが笑顔になったり悩んでいる人を救った時に何とも言えない充実感を感じるようです。

おそらく多くの公務員はこんなことで悩んだりしていないと思いますが、僕みたいなタイプが公務員になったら「自分は何をやっているのだろう」と自問自答する可能性が高いです。

サービス精神が豊富な人ほど公務員の仕事にやりがいを感じにくいと言えますね。

【理由4】周りの職員を尊敬できない

キラキラした目で仕事をしている公務員は絶滅危惧種。冗談抜きで、みんな死んだ魚の目をしながら仕事をしています。

廊下を歩く職員の背中からは覇気が感じられず、ため息ばかりが縦横無尽に飛び交う毎日。公務員志望の方には決してお見せできない光景が広がっています。

毎月振り込まれる給料とボーナスのために淡々と仕事をこなしているだけ。思考回路が停止して、やりがいについて考えることすらストップ状態に陥っています。

 

先輩や上司を見渡してみて、誰一人尊敬できる人がいません。

僕が憧れる生き方や考え方をしている人は皆無で、人生を妥協したような方々ばかり。仕事が遅いとかの前に、成長することを諦めている人も多いです。

公務員生活が長くなるにつれ自分もこうなるのか…と考えるだけでゾッとします。公務員という仕事が人を変えてしまうのかもしれません。

技術職は仕事にやりがいを感じている人が行政職より多い

僕は行政職でTHE公務員って感じですけど、農業や土木など技術職で公務員になった人は割かし楽しく仕事をしています。見た目から行政職とは違いますね。

行政職と違って技術職の公務員は達成感がある部署に配属されるケースが多いので、仕事にやりがいを感じる人が多いのだと思います。

例えば、農業職で採用になると農業試験場などに配属される人が多いです。そこでは新品種の開発や栽培方法の実証実験など好きな人にとってはワクワクする仕事が待っています。

僕も農林水産部の予算を担当していた時に試験場を視察したのですが、品種改良とかめちゃくちゃ楽しそうでしたもん。出張から帰ってきて自分の仕事とのギャップが辛かったです(笑)

他にも建設関係だったら新しい道路の整備に携われたりできます。自分たちの手で何かを残した証が目に見えるのはやりがいに繋がるのでしょう。

 

あと、行政職同士って関係が希薄なんですけど、専門職の人達っていい意味で上下関係があって、友達や大学の先輩後輩みたいな仲の良さに時々羨ましくなっちゃいます。

行政職だと新人にも「〇〇さん」って呼ぶのが普通ですけど、技術職だとおじさん同士で「〇〇ちゃん」って呼び合うんですよ。めっちゃ素敵じゃないですか!

人間味があるというか愛があるというか、体温を感じる人が多いのが技術職の特徴です。行政職同士でもフランクな関係性を築くと仕事もやりやすくなると思うんですよね。

 

ただ、あんまり技術職の公務員を持ち上げるのもあれなんで、ちょっとマイナスポイントを一つ。

技術職の公務員が本庁勤務になると、慣れない事務作業と上記で説明した不毛な仕事のダブルパンチでかなり消耗します。

行政職のネチネチした上司に気を遣いすぎて体調不良で休職した人もいますし、「こんなことするために技術職になったんじゃない」と退職した人も知っています。

まぁ、こんな事例もなくはないよって感じなので、そこまでビビる必要はないですが。

やりがいを考え出すと公務員に魅力を感じなくなる

そもそも多くの公務員は、仕事のやりがいとか考えたりしません。

HPの採用情報に「こういう時にやりがいを感じます!」みたいな記載があるかと思いますが、まぁよくもそんなこと言えるなぁと笑ってしまいます。真に受けちゃダメですよ。

2~3年毎に異動して新しい仕事を覚えてまた異動、これを繰り返しているうちに考えることをやめます。やりがいがなくても仕事なんていくらでもできますからね。

 

ですが、僕みたいに公務員のやりがいを考え出すと自分の仕事がものすごく嫌になります。

同世代で活躍する若者を見るたびに「自分は何をやっているのだろう」と自暴自棄に陥ることも。

だから、やりがいとか考えるタイプは公務員には向かないかと思います。

「毎月そこそこの給料が貰えれば仕事は何でもいい」くらいの気持ちの人が公務員に向いていると言えますね。意外と真面目な人より、適当な人の方が向いていると思います。

公務員は合わない人はとことん合わない職業なので、これから公務員を目指すなら「公務員になったら幸せになれる!」と安易に考えてはいけません。

しっかり自分の適性を見極めて、公務員になるかどうかを判断しましょう。