公務員の実情

地方公務員が出世するメリット・デメリットを元県職員が語る

「公務員は出世しても意味ない」

こんなフレーズをたまに聞きますが、個人的には出世することはデメリットばかりではなく、メリットもたくさんあると認識しています。

そこで今回は、公務員が出世するメリット・デメリットについて元県職員の経験を基にリアルな声を届けていきます。

公務員が出世するメリット

  • 年収が上がる
  • 自分の意見が通りやすくなる
  • 退職後の再就職先の選択肢が広がる

年収が上がる

当たり前ですが、出世すると年収が上がります。部長で定年を迎える人と課長補佐で定年を迎える人では生涯年収に差が生まれるのは当然ですね。

公務員は年功序列で平等に基本給が上がりますが、40代半ばになると出世する人とそうでない人の差が広がってくるので、後輩に年収が抜かれるなんてよくある話です。

本庁の次長・部長クラスになると基本給と管理職手当も上がりますし、年2回のボーナスの合計が課長補佐より100~150万円ほど多く貰えるので、出世することで年収が格段にアップするのです。

年収1,000万円プレイヤーを経験したいなら部長まで出世しましょう。お金はモチベーションになりやすいですから。

自分の意見が通りやすくなる

優秀な人ほど無能な上司の下で働くのはストレスになりますよね。それでも組織で働く以上は上司を立てなければいけないので、もどかしい思いをしている職員もいるでしょう。

公務員の世界は肩書きこそが説得力のすべてなので、どんなに優秀で正しい判断であってもヒラ職員の意見は無能な上司に押しつぶされます。

内容うんぬんではなく誰が言ったかが重要なので、役職が発言力に大きな影響を与えるのは言うまでもありません。

逆に言えば課長・次長・部長になれば自分の意見を施策に反映しやすくなるので、自分の思い通りに仕事を進めたいなら出世すればいい話です。

また、出世コースに乗って上司に認められると「あいつの意見だからな」と後ろ盾になって協力してくれるケースもあるので、出世するにつれ仕事に良い影響を与えるのは間違いないです。

退職後の選択肢が広がる

定年退職する際の役職次第で、その後の人生の選択肢が大きく変わります。

課長補佐クラスであれば、『無職になる』か『再任用職員になる』かの二択。公務員の再雇用になると30代前半くらいの給与まで下がりますが、アルバイトするよりはマシです。

もちろん自分で事業を始めたり人脈を作って民間企業に就職する方もまれにいますが、正直言って課長補佐でくすぶる職員を雇用したいという企業や団体はほとんどありません。

残念ですが、経験やスキルのない高齢者は時給制でこき使われるのがオチです。公務員の肩書きがいかに自分を支えていたかに気づかされるでしょう。

 

一方で、出世すれば退職後の選択肢が増えるだけでなく、それなりの待遇で迎えてくれる会社や団体があります。課長クラスになれば、再雇用ではなく再就職という形で仕事が見つかるのです。

そりゃ激戦を勝ち上がって出世した人材は重宝されます。人脈もあり公務員時代の影響力を考えると、ほしがる企業や団体があるのは当然のこと。

出世しない公務員と違って、たとえ公務員という肩書きがなくなっても活躍の場が残されているのです。老後の先行きが見えない現在、可能性を広げることで安心感が増します。

公務員が出世するデメリット

今度は出世することのデメリットについてです。出世するためには犠牲にしなくてはいけないことがあり、それを受け入れることができるかがポイントになります。

要は、公務員は出世と引き換えに乗り越えなければいけない試練があるって感じです。

  • 人生という時間を消耗する
  • うつ病のリスクが大きい

人生という時間を消耗する

出世するためには激務部署を転々としなければいけません。暇な部署でのんびりしている人が部長まで出世することは100%ないです。

民間企業だと仕事の成績が出世に影響しますが、公務員の世界ではどんなに優秀でも長時間勤務をしなければ出世できない現実があります。

つまり、出世と時間を天秤にかけなければいけないということ。仕事終わりに趣味を楽しみたい人にとっては出世を諦める必要があるかもしれません。

基本的に出世コースを歩んでいる多くの職員は毎日遅くまで仕事をしているため、平日は家族団らんで過ごすことは難しくなります。酒の席で「子供の寝顔しか見られない」とネタにしている職員のなんと多いことか。

20時に帰宅できればいい方で、22時に帰宅して翌日また出勤するのがエリート公務員のデフォルトです。18時に帰宅する当たり前の生活はそこにはありません。

さすがに土日休みまで仕事をする人は少ないですが、休日も家族サービスに追われ自分自身が心休まる時間はほとんどないと言えます。

うつ病のリスクが大きい

公務員はうつ病で休職する人が多く、優秀な若手でも激務部署で精神が削られて休職するケースも珍しくありません。忙しすぎて円形脱毛症になる人や頬がこけて老けてしまう人もいるくらい。

出世コースと呼ばれる忙しい部署ほどピリピリした空気が常に流れているので、精神的に弱い人にとってはかなりの負担になります。暇な部署の職員と比べると顔つきが全然違いますから。

このため、長時間勤務に耐えられるタフさだけでなく、仕事のプレッシャーや複雑な人間関係にも耐えられるタフさがなければ出世する前に力尽きて潰れてしまう可能性が高いです。

優秀な公務員は鬱のリスクを抱えながら仕事をしていると言っても過言ではありません。

僕自身、公務員になってうつ病で2ヶ月休職した経験がありますが一度でも心を壊すと完全に元の状態まで戻ることは難しいです。薬を服用しながらじゃないと仕事ができない人もいます。

精神的な病気のリスクを考えると出世の道は険しいなと感じます。

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公務員の仕事が楽しくやりがいがあるなら出世を目指したほうがい

公務員が出世するメリット・デメリットについて話してきましたが、公務員の仕事と相性がよく長時間勤務をしても心身ともに問題ないなら、出世を目指すメリットのほうが大きいです。

上の立場にならないと見えない景色もありますし、自分が行政を引っ張っているという充実感はヒラ職員には味わえない感覚です。

本庁の部長になるとイキイキしている人が多いので、出世を目指すのも悪くはないなと思います。ただ、中には嫌われ者もいるので、部長になったらぜひ部下を大切にしてください(笑)

僕は公務員の仕事が合わなかったので「この世界では勝ち上がれない」と撤退しましたが、仕事がそれほど嫌じゃないならモチベーションを保ちながら着実にキャリアを積んで部長クラスを目指しましょう。

出世に関しては30代までは横一線なので、無能な人と同じ待遇に不満を抱くことがあるかもしれませんが、努力と成果が認められれば40代から同期との差が開き始めます。そこからは一気に駆け上がりましょう!

まぁ、頑張りすぎて体を壊しては元も子もないですから、健康が一番大事だということを忘れずにいてくださいね。

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