公務員の給料・貯蓄

【公務員必読!】毎月の給与から控除される社会保険料を安くするテクニック

公務員の給与明細を見ると、所得税や住民税のほか社会保険料が給与から控除されているのがわかります。

「日本は税金が高い」と言う人は多いですが、実はサラリーマンや公務員の貯蓄額が増えない大きな原因の一つが社会保険料にあります。特に厚生年金保険は鬼です。

しかし、真面目な公務員でも、社会保険料の仕組みについて無知な人が多いのが残念なところ。どうやって毎月の掛金の額を決定しているかすら知らない方が大半を占めています。

税金対策は頑張っているのに、社会保険料対策をしないのは勿体ない話です。手取り額を左右する社会保険料の知識があれば、年間3万円ほど節約することも可能ですから。

この記事では、社会保険料の額の決め方と安くするテクニックについて説明するので、手取り額を増やしたい人は参考にしてください。

公務員が負担する社会保険料の内容

給与明細を確認すると、短期・介護・厚生・退職といった項目がありますが、まずはこれらの中身についてまずは知ることが大切です。

公務員の方は、入庁と同時に共済組合に加入しているかと思います。保険証の発行元を見ると自分が加入している共済組合がわかりますね。(県職員の場合は地方公務員共済組合〇〇支部、市町村職員の場合は〇〇県市町村職員共済組合)

公務員が負担している社会保険料は毎月給与から天引きされて、共済組合に納付されています。

停職などを理由に給与から控除できない方は、共済組合から納付書などが送られてくるはずです。

まずは、この控除された社会保険料が何に使われているかを認識することが大事です。支出されたお金の流れを知ることも資産運用の一部だと思ってください。

短期(介護)給付

短期給付は、病気や出産などによる組合員の経済的負担をサポートする事業です。

病院で診察を受ける場合、受付で保険証を提示することで診察代の3割しか負担していないはずですが、残りの7割を共済組合が負担しています。

育児休業手当金や傷病手当金なんかも短期給付事業に該当します。給与が支給されなくても共済組合から生活保障が受けられるわけです。

これらの事業を行う財源として短期(介護)掛金が徴収されるのです。ちなみに介護は40歳以上の方が対象になるので、若手職員は短期のみの負担になります。

厚生年金保険給付・退職年金等保険給付

公務員の年金制度はかなり複雑なので、ここでは詳しく説明しませんが、公務員が負担している厚生年金保険料と退職年金等掛金は、年金の運用に使われてるんだなという認識でまずは大丈夫です。

以前は、公務員の年金制度は職域加算(共済組合への加入期間に応じた上乗せ制度)や掛金率で優遇されていましたが、平成27年10月から公務員も民間と同じく厚生年金への加入に切り替わりました。

これが本来のあるべき姿なのですが、これから公務員になる方は過去と比べると負担する金額が増えるのは痛いところ。

社会保険料の中で一番多く支払っているのが厚生年金保険料になるので、手取り額がなかなか増えない原因はここにあると分析できます。

社会保険料の額は標準報酬月額によって決まる

社会保険料は標準報酬月額により決定されます。

計算方法はシンプルで、標準報酬月額にそれぞれの掛金率をかけることで、毎月の掛金額が算出されます。

例えば厚生年金保険料の保険料率は91.5‰(平成30年9月~)なので、標準報酬月額300,000円の公務員の場合、300,000×91.5÷1,000=27,450円となります。

掛金率は法律で定められているため個人の力でどうすることもできませんが、標準報酬月額をある程度コントロールすることは可能です。

もう勘のいい方はお気づきかと思いますが、社会保険料を安くするためには標準報酬月額を下げることが鍵を握っているのです。

標準報酬月額の決定方法

よく勘違いされるのですが、標準報酬月額は基本給の額ではありません。

原則、4~6月の給与の平均値から9月に標準報酬月額が決定され、次の年の8月までその標準報酬月額は変わりません。

給与=基本給+手当
基本給 通勤手当 時間外手当 合計
4月 20万 1万 6万 27万円
5月 20万 1万 7万 28万円
6月 20万 1万 10万 31万円
3月平均 28万6千円

とってもシンプルな例ですが、4月から6月の給与の平均は28万6千円になります。

これを標準報酬等級表(各共済組合HPから確認できます)に当てはめていくと標準報酬月額は280,000円(17級)に決定されます。

ある月で固定的給与(基本給や通勤手当など)が変動した場合、その月を含めた3月平均が前の標準報酬月額の等級より2等級以上差があれば随時改定が発生して標準報酬月額が変わります。他にも育児休業終了時改定や産前産後休業終了時改定などがあります。

標準報酬月額を抑えるコツ

では、本題の標準報酬月額を抑えるポイントを紹介していきます。

イメージとしては、自分の基本給に近い標準報酬月額の範囲内に収めることを意識しましょう。

ズバリ!社会保険料で損している人は4月~6月の時間外手当が1年を通して多いという共通点があります。つまり、3月~5月の残業が他の月に比べて多いということです。

通年残業があるなら特に問題はないのですが、標準報酬月額が上がった9月以降から時間外手当が少なくなると給与の割に社会保険料が高くなってしまい、手取りがかなり少なくなってしまいます。

3~5月の残業を減らして、6月以降にガッツリ残業すると手取りは増えます。

しかし、3月から5月は年度が切り替わるタイミングで忙しい部署がほとんど。残業をコントロールするのは難しいですよね。

そんな方への救済処置として、9月定時決定には『保険者算定(年間平均)』という制度があります。

内容としては、『4月から6月の平均で算出した標準報酬報酬』と『前年7月から当年6月までの平均で算出した標準報酬月額』に2等級以上の差が出た場合、年間平均の標準報酬月額で定時決定を行えます。

他にも条件はありますが、保険者算定を利用すれば社会保険料の負担を減らすことに繋がります。年度当初だけ忙しくなる職場に配属になった場合は、保険者算定を検討した方がいいでしょう。

 

ただし、保険者算定には一つ大きな注意点があります。

それは、組合員からの申し出が必要だということです。共済組合で勝手に保険者算定の手続きをするとこはできません。

 

保険者算定の案内は、毎年7月頃に共済組合から各所属宛に送られてきますが、所属の庶務担当の中にはメールでお知らせするだけで保険者算定に該当するかの判断を個人に任せている場合があります。

正直、標準報酬月額に関心のない職員が、『保険者算定のお知らせ』を見ただけでは何のことかさっぱりわからないので、保険者算定できるはずなのにスルーされている可能性は大いにあります。

 

このため毎年定時決定が行われる7月には、自分が保険者算定に該当するかどうかを庶務担当に確認した方がいいです。

本来なら庶務担当が一人一人チェックするのが理想なのですが、担当によって対応が異なるケースを想定すると面倒ですが自分の身は自分で守った方が賢明です。

標準報酬月額を下げるデメリット

標準報酬月額を下げることで生じるデメリットもあります。

一番影響が大きいと想定されるのが年金です。年金額の算出には毎月の標準報酬月額が関係してくるからです。

社会保険料の6割近くを占める厚生年金保険料の額を下げることは、現在の節約にはなりますが将来受け取るであろう年金額が減ることを覚えておきましょう。

 

ただ、将来の年金に期待するのは危険な話で、僕としては老後資金は自ら資産運用して作ることを意識しています。年金受給開始年齢は今後もどんどん遅れることが想定されますし、年金制度自体どうなるかわかりません。

つまり、社会保険料で節約した分を自分で運用した方がマシだということです。

標準報酬月額を下げたことで生じる年金額のデメリットは、資産運用でカバー可能なので全く問題ありません。

 

その他には、短期給付の出産手当金や育児休業手当金、傷病手当金などの額の算定にも標準報酬月額が使われるので、標準報酬月額を下げることで支給額が若干減ります。

ただ、この辺はイレギュラーな支給になるので、公務員生活全体で捉えると微々たる影響でしかありません。あまり深く考えなくてもいいですね。

 

結局のところ、標準報酬月額を下げることはメリットの方が大きいと僕は判断しています。若いうちから使えるお金が多いほど、資産運用の幅が広がりますからね。

セコいと思うかもしれませんが、僕も年度またぎの時期だけは残業を意識して働いています。

特に5月に緊急性の低い仕事で残業するのは勿体ないので、後回しでも対応可能な仕事は6月に回してますね。

業務量は人それぞれなので残業を減らすのは難しい場合もありますが、無駄に標準報酬月額を上げて秋から大変な目に合わないためにも、まずは自ら3月平均を計算するところから始めてみましょう。