公務員の実情

【経験談】民間企業から公務員に転職して1年でうつ病を発症した話

自分はうつ病にならない

ほとんどの方がこう思っていると思います。僕もそうでしたから。

でも、僕は民間企業から公務員に転職して1年も経たずにうつ病を発症した過去があります。

働きながら必死に勉強して公務員になったのに、その1年後にうつ病になるとは皮肉なものです。

公務員になれた嬉しさは入庁直後に失望へと変わった

僕は大学を卒業して民間企業に就職して3年間働きました。

社会人としてのイロハを教えてもらい感謝していますが、休日が少なく安月給、ボーナスもほとんど出ない会社に不安になり、安定した公務員への転職を決意。

働きながら独学で勉強を始め、半年後の試験で一発合格しました。あの時は涙が出るほど嬉しかったです。

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ここまでの成功ストーリーで僕の人生はハッピーエンドを迎えればいいものを、残念ながら素敵な公務員生活が待っていることはありませんでした。

 

僕が配属されたのは農林水産部。

希望に満ち溢れて入庁式に臨み、「これから頑張るぞ!」という気持ちで新しい生活が始まりました。

しかし、そこで待っていたのは予想以上の過酷な環境。

1ヵ月も経たないうちに希望は消え去ってしまいました…

 

前任者が国からの出向者で、引継書だけが机に上がっているだけ。

僕の仕事は周りの職員も把握しておらず、「〇〇さんに電話して聞いて」と言われるだけで不安な毎日を過ごしていました。

前任者の職場に電話をかけると、国家公務員は忙しいのか「周りの人に相談して決めてください」などあからさまに機嫌が悪い対応をされる始末。

気持ちはわからなくもないですが、板挟みにあった僕はかなりストレスを抱えながら仕事をしていました。

民間企業と比べると公務員は、部下を育てるという感覚に欠けているため、配属先の上司次第では僕のような冷遇を受けることも十分あります。

上司のパワハラに我慢した結果、10ヵ月後に体が動かなくなった

3ヵ月も経てば、誰も頼れない状況や仕事にも慣れる・・・と思っていたのですが、民間企業と公務員の仕事の進め方にギャップがありすぎて困惑する日々に変わりはありませんでした。

不慣れな業務を一人でこなしていたため、ミスをすることもしばしば。

その度に上司に呼ばれてネチネチと細かい部分を指摘され、みんなの前で威圧的な態度で叱られます。同情してくれる職員もいましたが、何か変わるところまではいきません。

仕事の相談をしても「何で俺に聞くんだ」と怒られるので、どんどん仕事が後回しになってしまい毎日何をしたらいいかわからなくなりました。

また、クレーム対応を一人で担当する謎のシステムが発動しており、他の職員が受付したクレーム処理まで僕に回ってきて精神的にどんどん追い詰められていきました。

 

どこにも逃げ場がない状況が続いたため「誰でもいいから死なない程度に車で轢いてくれないかな」と本気で考えるように。

この時点でネガティブなことしか考えられず、帰宅しても明日の仕事の憂鬱さで何をしても楽しいと感じなくなっていたと今振り返るとそう思います。

仕事に行きたくなかったのですが、周りに迷惑がかかるし、何より上司に怒られるのが怖かったので何とか出勤していました。

公務員になれたことを親も喜んでいたので、1年も経たないうちに「退職したい」とか言えない状況でもあったし。

 

こうして体の悲鳴を無視した結果、とうとう帰宅後に涙が止まらなくなり翌日も体が動かなくなってしまいました。

ダムが決壊したように嗚咽する様子は異常であり、もはや仕事どころではないのは誰の目にも明らか。

翌日に職場に電話しようと思ったのですが、恐怖から体が動かなくなり、恥ずかしながら親に頼んで事情を説明してもらいました。

 

公務員になって10ヵ月目の冬。

僕は『うつ病』と診断され、精神内科の医師から「仕事を休みなさい」と言われました。

職場に足を運ぶことができなかったため、ここでも親が診断書を職場に提出してくれることに。

職場でどんなやりとりがあったかは知りませんが、診断書の記載によりまずは1ヵ月の休職が認められました。

「親まで出てきて周りにどう思われるんだろう」とか色々考えましたが、病気になったのにも関わらず正直ホッとしたのを今でも鮮明に覚えています。

3ヵ月間の休職から復帰までの生活

心と体を健康な状態に戻すために、まずは『仕事のことを考えない』ことが大事だと言われました。

自分一人がいなくなったところで大きな影響を与えることはないのですが、当時は「迷惑かけている」「あの仕事は大丈夫だろうか」と仕事を頭から外すことが難しかったです。

それでも、大学生の夏休みみたいな毎日を過ごしているうち、仕事に対する不安が薄れていきました。罪悪感もなくなっていき、自分を正当化できるように。

うつ状態時には無理に考えないよう意識するのではなく、時間が解決するものだと割り切った方がいいと思います。

焦らず処方された薬を飲みながら、漫画を読んだりテレビを観たりゲームしたり『自分の好きなこと』をやるだけです。

 

うつ発症から2週間くらい経過すると、少しずつですが外出もできるようになりました。

面談で医師から「運動してみるといいよ。」とアドバイスされたので、週3日ジムに通うことに。軽めのランニングと筋トレを始めました。

「運動はうつ病に効果ある」と言われていますが、まさにそのとおり。

体がだるくてしょうがなかった状態から、1ヵ月後には日常生活に支障が出ないくらいにまで回復。

 

「もう治ったんじゃない?」と鬱を克服したと思いました。年度末だし、上司が異動すると信じていたので、職場復帰も近いと確信。

しかし、心の問題はそう簡単には解決できませんでした。一度傷ついた心は、本人が思う以上に治らないのです。

試しに親と一緒に職場の近くまで行ってみた時、建物を見ただけでドキドキと動悸が激しくなり、吐き気や頭痛など体調が悪くなったのです。

 

帰宅後、自分の思い通りに動かない体に苛立ちを覚えました。

いつの間に自分はこんなに弱くなったのだろう、こうしている間にも友達たちは仕事をしているというのに…

焦りばかりが先行してしまい、再び落ち込む毎日。

 

自分が鬱になるまで、正直「鬱って気持ちの持ちようじゃね?」とか考えていました。打たれ弱いとか思ってましたから。

しかし、実際に鬱になってみて、甘えとかそういう次元の話ではないってことを知りました。

この辺は経験しないとわからないことですが、あなたの周りにも鬱の人がいたら甘えではないということを認識してあげてください。

 

1ヵ月間の休職で復帰することはできなかったので、職場に期間を延長した診断書を提出。

焦りは禁物と言い聞かせながら、薬の服用と運動で再び前向きな気持ちに近づこうとしました。

一日中家に引きこもっていると気持ちが落ち込む時があったので、ジムに行かない日も近所を散歩するなどなるべく外出するよう心がけていましたね。

 

 

そして、休職から2ヵ月後。

 

 

休職期間中に年度をまたいだので、人事異動が発表されました。

僕とパワハラ上司は揃って異動。

嬉しいとかの感情はなく、ただただ「僕は異動することになったんだ。新しい職場の人達にどう思われているんだろう。」と考えていましたね。

 

 

そして、休職から3ヵ月後の4月末。

 

 

仕事の意欲を取り戻し、ようやく僕は新しい職場に足を運ぶことができました。もう動機や頭痛に悩むこともなく、少し緊張しましたが何とか大丈夫そうです。

産業医面談を終え、新しい職場に挨拶に行ったら、みんな優しく迎えてくれました。

ピリピリした雰囲気は感じられず、前の職場がいかに異常だったかわかります。

不安な気持ちは考えすぎていたようで、1週間も経過したら普通に仕事ができる自分に戻っていました。よかったよかった。

こうして僕は公務員として再スタートを切ることができたのです。

精神的に辛い公務員は休職して自分を大切にしてほしい

僕の経験はレアケースかもしれませんが、鬱になるまで追い込まれなくても精神的ストレスを抱えている公務員はたくさんいます。特に人間関係のトラブルの噂は色々と聞きますね。

仕事内容だったり人間関係だったり、公務員は民間企業以上にストレスが溜まる所属がごまんとあるので、「公務員になれば人生イージーモードだぜ」と浮かれている人は注意しましょう。

 

うつ病を発症した経験から、「健康が一番の宝」ということが身に染みています。お金やら結婚とかは二の次です。

公務員は一度でも休職すると出世に影響が出るため精神科の薬を飲みながら仕事をしている人もいますが、健康な体と出世を天秤にかけてみてどっちが重いかなんて子供でもわかりますよね。

体の悲鳴を無視して頑張りすぎても、いずれ限界がきて僕みたいに心と体が壊れてしまいます。我慢して乗り越えられるものではないですから。

こうなると元に戻るまでかなり時間がかかるし、一度うつ病を発症すると完治せずに一生付き合うこともあるため、「しんどい」と考えられるうちに精神科を受診して1ヵ月くらい休職しましょう。

 

人生100年時代。1ヵ月くらいどうってことないですって。

 

  • 休職したら周りに迷惑をかけてしまう…
  • 精神的に弱い奴だと思われるんじゃないか…
  • みんな辛くても頑張っているはず…

こうした考えが休職の決断を妨げます。

ですが、実際はこんな感じなので安心してください。

  • 一人欠けても組織は平常運転です。大きな負担にはなりません。
  • 公務員は常識人が多いので、休職した人の悪口を言う人はいない。むしろ心配してくれる人がほとんど。
  • 頑張りすぎて鬱になる公務員は多い。辛いことを頑張る必要はない。

 

休職って大きな決断に思えますが、実際に経験してみると「こんなもんか」ってなります。

特別なことではなく、心の風邪をひいた程度の話です。

具合が悪くなったら休む。これ常識ですよ。

鬱を経験した僕としては、一人でも多くの公務員が健康に働いてくれることを祈ります。

公務員が元気じゃなきゃ地域が元気になるはずないですからね。